当社グループは、社会的課題の解決に資する新たな価値を共創・提供することを目指し、社会の要請を捉えて、技術・製品・事業の開発に挑んでいます。
固体酸化物形燃料電池(SOFC)は、発電効率が他の燃料電池と比較して高く、二酸化炭素などの温室効果ガスの削減効果が高いため、クリーンなエネルギー源の一つとして期待されています。
当社グループは、来たるべき水素社会の構築に貢献することを大きな事業テーマに掲げ、SOFCの発電をおこなう「スタック」の開発を推進しています。
社会的な再生可能エネルギー比率の増加とともに、余剰電力の利活用が社会的な課題となっています。その解決策の一つとして、余剰電力を水素に変換して貯蔵し、電力不足や災害時の停電の際に貯めた水素を使って発電するエネルギーマネジメントが注目されています。
当社グループは、兼ねてから有している燃料電池の技術を応用し、セルスタック1 台で水電解による水素製造と燃料電池による発電が可能な「リバーシブルSOCシステム」を開発しました。
身近な生活機器の中で広く利用されている圧電セラミックスは、環境や私たちの健康に悪影響をおよぼすことが懸念される鉛を含むことが懸念されています。
当社は、鉛を含まない無鉛圧電セラミックスを開発し、代替促進を目標としています。
さまざまなモノがインターネットを通じて有機的につながるIoT(Internet of Things)時代において、センシング技術が果たす役割はますます重要度を増しています。
当社の幅広いセンシング技術とIoTを組み合わせることで、自動化、最適化、汎用化などによる事業の効率向上に役立てていきます。
<水質センシング>
センシング技術を応用し、水質情報の可視化、カメラによる生体情報との統合、ビッグデータ解析を組み合わせた、養殖作業管理ができる陸上養殖トータルソリューションの提供に取り組んでいます。将来的には、海や川の水質保全など、世界の環境問題に貢献することを目標に開発を進めています。
カーボンニュートラル社会の実現に貢献するため、メタネーション関連技術(セラミックの固体電解質を応用した水素製造技術や酸素濃縮装置の技術を応用したCO2回収技術)の開発を進めています。
<地域CCU>
工場や商業施設などから排出されるCO2を回収し、資源として活用することで地球温暖化防止に貢献できる技術の開発に取り組んでいます。
CCU(CO2回収・利活用技術)を軸にCO2排出量・需要量、再エネ電気の製造量を最適にマネジメントすることでCO2、水素、メタンガス、電気を地域で融通、循環。CO2排出量実質ゼロを目指した豊かな社会を次世代につなぎ、地域の特色を活かしたカーボンニュートラル社会の実現に貢献します。
新規事業創出の注力領域である「Smart Health」「Decentralized Utility」「Smart Mobility」の領域で新規事業創出を加速していくためには、最先端の技術・ビジネスモデル・アイディアを持ったベンチャー企業との連携が必要と考え、2021年に米国シリコンバレーを拠点するペガサス・テック・ベンチャーズと共同運営のCVCファンドを設立しました。
2024年にグローバル・ブレイン株式会社と共同でCVCファンドを設立しました。水素・炭素循環社会の早期実現への貢献を目指し、それらに関連するスタートアップへの投資支援をおこなうとともに、小牧工場内に実証フィールドSUISO no MORI hubを設置し、スタートアップの技術開発・成長支援をおこないます。
2022年に産総研材料・化学領域内に「日本特殊陶業-産総研 カーボンニュートラル先進無機材料連携研究ラボ」を設立しました。「環境・エネルギー」や「モビリティ」の分野において、日本特殊陶業にて培った無機材料技術、粉体・粉末冶金技術と、産総研が有する最先端の機能性材料開発技術、触媒開発技術、DXによる材料開発技術などを融合、カーボンニュートラルに関わる先進材料の開発を進めていきます。
2024年、日本特殊陶業と東北大学は、革新的な次世代セラミックスの創出を目指した共同研究の推進、統括を目的として「日本特殊陶業 × 東北大学 MIRAI no ME 共創研究所」を設置しました。
日本特殊陶業の強みであるセラミックスの研究開発と実用化の知見とともに、社会課題の解決に貢献する“新奇”セラミックスの早期提案と社会実装を加速します。
社会の要請を捉えるため、さまざまなや団体やプロジェクトに参画し、社会的課題の解決に資する新たなテーマを探索・調査しています。
Hydrogen Councilは、エネルギーの移行に向けた水素技術の重要な役割について長期的ビジョンを示す、CEOレベルのグローバルなアドバイザリー機関です。当社はサポーティングメンバーとして参画しています。
MATSURIとは、光合成を活用した藻類の生産を通じてカーボンニュートラル実現を推進する企業連携型プロジェクトです。多種多様な業界からさまざまな企業が参加し、藻類培養に関わる設備の開発や物流網の整備、商品の開発・販売など、藻類の生産から販売に至る全ての役割においてパートナー企業が事業を展開し、一体となって藻類産業の構築を目指しています。
eFuel Allianceは、地球温暖化防止に貢献するeFuelを確立・普及させ、世界中で受け入れられるようにすることを目標とする団体です。