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品質

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品質経営(TQM)の推進

当社は、すべてのステークホルダーにとっての価値を創出し、変化に柔軟かつ迅速に対応できる体制を整えたグループ企業となるために、TQM(品質経営)の概念を共有し、TQM活動の柱である次の5つを定義して、実践しています。

1)品質保証

当社のお客さまおよび社会のニーズを満たす製品・サービスを提供するため、すべての業務を確立し、安全・安心を保証するとともに、新たな価値の創出に向けた開発活動を推進します。

2)日常管理

当社のすべての業務に対して、できばえを測定する方法・指標を考え、通常とは異なる結果が得られた場合には、迅速に原因究明し、対策を講じて品質の維持向上を図ります。

3)方針管理

維持向上活動をさらに改善・革新し、お客さまにとっての新たな価値を創出し、変化する社内外環境に対応するために戦略と目標を持って、取り組むべき課題・問題を明らかにし、達成に向けて遂行します。

4)小集団改善活動

日常管理、方針管理を通じて明らかとなったさまざまな課題・問題に対し、小集団チームによる解決と、それを通じた人財育成を図ります。

5)品質管理教育

品質の維持向上、改善・革新を活発にするため、その前提としてTQM活動の柱を理解・意識するとともに、組織が業務に沿った階層別の教育体系を確立し、実践します。

推進体制

品質経営を推進するため、品質経営における最高責任者である品質統括本部担当役員を委員長とする全社品質委員会を設置しています。
全社品質委員会では、当社の各機能を全社視点から最適化するための方針や指針の策定および指示を決定しています。
また、品質保証会議では、品質保証レベルの引き上げを目指して、品質不具合の原因や対策の共有、協議、実行の推進などをおこなっています。

図 品質保証推進体制

品質マネジメントシステム

お客さまのニーズを満たす製品・サービスを提供し続けるには、品質を担保する仕組みである「品質マネジメントシステム(QMS)」が欠かせません。そのQMSをベースに、ビジネスの差別化や組織の体質改善に繋がる仕組みの整備や改善に加え、ビジネス要件としてのISO9001などの認証取得をおこなっています。
医療機器製品に対しては、該当する法令規制への対応を優先に仕組みの整備と内部監査をおこない、医療機器産業の国際規格であるISO13485の認証取得を推し進めています。

小集団改善活動

小集団活動の一つとしてQCサークル活動を「NQC活動」(NはNittokuの頭文字)として展開しています。
NQC活動は、身近な問題や課題に応じてチームを編成し、その解決・達成を目指す活動で、有形/無形の経営貢献と同時に人財育成に寄与しています。
社外発表会においても全日本選抜QCサークル大会にて金賞、QCサークル石川馨賞を受賞するなど、活動レベルが向上しています。
また、NQC活動の強化を目指し、双方向のコミュニケーションITツール『NQCステーション』の導入を進めています。活動議事録をシステム化し、状況把握を容易にしました。ポータルサイト機能も備えており、サークルメンバーが活動に役立つ情報や資料をいつでも入手できるようになりました。

品質管理教育

従業員の品質能力を向上させ、お客さまや社会のニーズを満たす製品・サービスを創出できる人財を育成するため、「ものづくりは人づくりである」と捉えて品質管理に関するさまざまな教育を実施しています。
エンジニア向けの製品実現の考え方・進め方や品質管理手法の実践スキルを習得する研修をはじめとして、職種や階層に応じた研修を随時開催し、品質の維持向上に必要な知識や実践スキルの継続的なレベルアップを通して、製品全体の品質が向上することを目指しています。
また、お取引先さまに対しても、継続的な品質改善によって安定した高い品質の部材を納入していただけるように、品質や問題解決に関する教育や実践支援をおこなっています。

品質活動行事による啓発

毎年11月の全国品質月間のみならず、年間を通じて品質活動行事を実施しています。
品質展示会は、従来、各拠点で開催していましたが、新型コロナ対策、利便性等を考慮してWEBによる開催へ見直しました。当社グループの品質に対する考え方や職場のさまざまな品質活動に関する取り組みを共有し、品質意識の維持と向上を図っています。
その他、品質標語の募集や各種行事を通じて全従業員参加型の品質の維持向上活動を推進しています。

計測管理

ものづくりには、正しい測定が欠かせません。信頼できる測定結果を得るためには、ものづくりに携わる従業員が正しい測定技術を持ち、そのうえで計測機器を正しく管理、使用することが重要です。
そのため、計測管理の重要性を理解して正しい測定技術を持つ人財の育成、計測機器の精度管理、計測管理システムの改善などをおこない、精度向上と安定化を図ることで、品質保証体制を強化しています。

ものづくり教育

適切な時期に必要な知識・技能を身に付けることができるよう、「ものづくり教育訓練場」では「安全、品質、保全、改善」に関した受講者が求めるカリキュラムを準備しています。新入社員に対しては社会性を重んじ、手順を守り品質を重視する人財を育てるために、「規律」を研修の土台として位置付けた配属前教育をおこなっています。
安全教育では労働災害ゼロを念頭に、「行動前の感性力を磨き、危険を考え予知行動できる従業員を育成する」を指針として、訓練を実施しています。バーチャル・リアリティー(VR)も導入し、転落・転倒等の災害について、より臨場感を感じる体感教育も取り入れながら、教育・訓練の内容改善に努めています。
コロナ禍における講義形式としてWEB講義を導入するなど、柔軟に対応しながら価値のある教育提供に取り組んでいます。

ものづくり教育訓練の様子
バーチャル・リアリティー体感の様子
日本特殊陶業株式会社